体幹弱いは関係ない?

2020年12月2日


皆さんはご自身のランニングフォームについて考えたことはありますか?
私は実際に多くのランナーの方のフォームの相談を受けてきたのですが、
その時に多くの方がご自身のフォーム不良について
「私は体幹が弱くてフォームが乱れているんです!」
と言われます。
詳しく聞くと、
「指導者に指摘された」「ランニング雑誌で読んだ」というのですが、
皆さんもそんな経験はありませんか??
「体幹が原因」というのが間違っているわけではありませんが、
少しそれだけだと、原因を改善するには「足りていない情報が多い」というのが
トレーナーとしての意見です!
今回はそのランニングフォームの乱れが
本当に体幹が弱いからなのか?を
具体例とともに
解説していきます!

体幹って?


体幹が弱いと判断すれば、皆さんはどんなトレーニングを思い浮かべますか??
色々なトレーニングがありますが、プランクというトレーニングを思い浮かべた方も多いのでは??
実際、多くの方に体幹トレーニングについて聞くと、そのトレーニングだと言います。
これは実は、体幹の中でも腰の反りを抑える「腹筋群」を鍛えることに向くトレーニングになります。
「体幹の中でも腹筋群を鍛える」、と言いましたが、体幹というのは体の中の「部位」の名称
で筋肉名では無いのです。
「体幹が弱いから」と、このプランクで「腹筋群」を鍛えても、
フォーム不良の原因が、「腹筋群」でなかったとしたら、、、
あまり効果的なトレーニングだとは言えません!
詳しく解説します。

体幹とは?


体幹とは、どこのことを示すのかをまずは見ていきましょう!
広い意味では、四肢を除く胴体の部分のこと
もっと詳しくみれば、お腹の肋骨下の骨の無いところを筋肉で支えている場所
腹筋群、背筋群、骨盤底の筋肉が付いています。
深部に腸腰筋があります。

「体幹が弱い」は、どこが弱いか明確ではない

腹筋はお腹を丸める働きをし、背筋は姿勢を起こす働きをします。
腹筋背筋は、共に同じ体幹の部位内ですが、
それぞれが反対の働きがあるのが分かるでしょうか?
体幹という部位の中に腹筋と背筋のように互いに反対の働きをするような組み合わせのものがたくさん入っています。
つまり、「体幹が弱い」という表現だけでは実際はどこが弱いのかが明確になっていないということ!

フォームの乱れの本当の原因は?

ではどうすればよいか?
今回、一つ具体例を示しながら解説します!
体幹の内、どの筋肉が原因でフォームが乱れてしまっているのかは、
人によって違うので、全ての人に共通のこれが原因です、とは今回は言えませんが、
一番伝えたいのは、「体幹が弱い」ではなく、「体幹の内のどこの筋肉が弱いので改善したい」と、もっと詳しく分析して本当の原因を考えられるようになりましょう!ということ!
今回詳細は省きますが、自分の不良フォームがわからない方は
【ダメフォーム6選】 の記事をご覧ください!

腰の落ちたフォーム


良く例に出しているランニングフォームですが、
いわゆる腰の落ちたフォームです。
「腰が落ちたフォームです。体幹が弱くてこのフォームになってしまいます。」
と聞くことが多いのでこれを例に選択しました!
このフォームの原因の多くは
➀「大殿筋・ハムストリングが硬くなり、腸腰筋が働きづらい」
➁背中が丸まった「猫背」です。
腹筋が原因であることもありますが、効果的な改善策は
「お尻と太もも裏のストレッチ」「腸腰筋のトレーニング」「胸のストレッチ」
になります。
※詳細は腰落ちフォーム改善の記事から!

そこで冒頭のように、体幹トレーニングの代名詞「プランク」を行って、腹筋を鍛えても
あまり効果的ではありません。
腹筋を鍛えると背中を丸める形になりますので、
むしろ猫背を助長してしまう可能性すらもあります。
腰落ちフォームの原因にちゃんとアプローチ出来ているわけではないのは分かるかと思います!

まとめ

今回はランニングフォーム不良の原因が本当に体幹が弱いからなのか
に注目して解説していきました。
色々な情報媒体を見ていると発信側が「体幹」という言葉が使いやすく、それで納得させているだけのように思います。
体幹というのは、部位の名称なだけで、フォームの乱れの原因は
体幹が、というよりも体幹の中の筋肉のどれが原因なのか、が重要ということでした。
体幹が弱いから、で思考を止めるのではなく、真の原因を見つけて改善策を打つことが
フォームを改善するための近道となります!
自分の課題をもっと深堀して原因にあったものを選びましょう!